【必見】ソーシャルスキルトレーニングSSTとは?指導のコツを紹介!

イット

みなさんこんにちは!イット@it_coach0412です!!

この記事を見ている方は、こんな悩みはありませんか??

? 読者の悩み
  • クラスに気になる子どもがいて、指導・支援に困っている
  • ソーシャルスキルトレーニングって聞いたことあるけど、よく分からない
  • とにかくクラスの雰囲気を良くしたい

ということで、今回はソーシャルスキルトレーニングSSTと略されることも多い)について指導の理論コツを紹介させていただきます!!

実は、SSTは発達が遅れが疑われる子どもに向けた指導だけでなく、周りの子どもを対象としたSSTあります!双方向に対して適切にアプローチできれば、クラス全体でお互いの人格を尊重しあい、支えあう気持ちとスキルが身につくはず😊

この記事を読むと・・・
  • 気になる子どもの問題行動を未然に防ぐための指導・支援法が分かる!
  • 学級経営スキルを向上させるヒントになる!!
  • 今日からソーシャルスキルトレーニングが行えるようになる!!!

以前、小学校で3年間働いた経験があります。そのうち2年間は特別支援学級を担当をしておりました。現在は、特別支援学校で勤務中です。

目次

ソーシャルスキルトレーニングSSTを知ろう!

ソーシャルスキルとよく聞きますが、、まず言葉の意味が分からない人も多いはず・・・!!

社会性を身につけるトレーニングのこと?
例えば、ルールを守ることでしょ?

こんな意見があったり、「なんとなくは分かる・・・」という方もいらっしゃいますよね?

実は、研究者間でもソーシャルスキルの定義はおおざっぱにでしか一致していないそうです。

特別支援教育の専門資格である特別支援教育士(S.E.N.S)の資格養成セミナーで紹介されている教科書によると、

大雑把には、「社会的な場面で、自分にとっても相手にとっても、快く、社会的にも受け入れられるやり方で、対人的なやりとりをするのに用いられる技法」で、人間社会の中で生きていくために必要なライフスキルの中の1つのカテゴリーであると言える。

引用元:特別支援教育の理論と実践(第2版)p.119 一部抜粋

と述べられています。

イット

前書きにも、「大雑把には、」と書いてあるくらいです。

特にソーシャルスキルが乏しい発達障がい児は、対人的なやりとりに課題が見られ、対人関係でも苦労が多くなりがちです。

では、どのようにソーシャルスキルを身につけさせていくのでしょうか?

  • ソーシャルスキルトレーニングSSTとは?
  • 指導の流れは?

の2つについて、以下で詳しく解説をします。

1.ソーシャルスキルトレーニングSSTとは?

ソーシャルスキルトレーニングとは、社会性の獲得・向上を目指すために基礎単位となる、ソーシャルスキルを身につけていくための指導法のことであります。

特別支援教育士(S.E.N.S)養成セミナーで紹介されている教科書によると、

「社会性」を形成する基礎単位となるものが「ソーシャルスキル」である。SSTは「社会性」という概念で規定される抽象的・包括的な能力を育てるために、具体的で操作可能な「ソーシャルスキル」という社会性を構成する単位を設定し、その一つ一つを身につけること目指す場なのである。

引用元:特別支援教育の理論と実践(第2版)p.135 一部抜粋

と述べられています。

ポイントは以下の通りです。

・社会性を形成する基礎単位がソーシャルスキルであり、ソーシャルスキルトレーニングはそれを身につけていくための指導法であること

・社会性は抽象的であり、理解しずらい

・具体的で操作可能なソーシャルスキルを身につけていくことで、結果として社会性を獲得、向上することにつながる

さらに詳しく解説をします!例えば、「ルールを守る」という社会性を身につけるために、頭の中ではなんとなくは分かるが、腑に落ちない感覚ありませんか?

ルールって何のルール?色々あるから分かりにくいな・・・

SSTでは、実際にルールを守らなければ不都合が生じる場面を設定して指導を行います。つまり、具体的な場面を教師側で設定する。例えば、以下のような場面を設定しましょう。

T:信号が赤だけれど、みんなは渡りますか?

本来、赤信号で渡らないという暗黙のルールはありますが、学習初期の子どもたちはなんとなくでしか理解できていません。そこで実際の指導では、赤信号で渡るとどんなことが起きるのかを考えたり、教師が寸劇で車にひかれるシチュエーションを示したりします。主活動では、一人ずつみんなの前で赤信号になったらどのように行動するか実演します。

振り返りでは、どんな行動をすればいいかを自分の言葉でまとめていきます。学習を経て、こんなまとめが出てくるでしょう。

C:赤信号を渡ると車にひかれる

C:守らないと痛い目に合う

C:自分も車も痛い、傷つく

C:結局、赤信号を渡ってもいいことがない

赤信号を守らなけば、車にひかれてしまうということを体感的に気づけるからこそ、ルールを具体的に自分の言葉として理解できるわけです。

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みんなの前で教師が見せて、練習した後発表して、よかったところや気づいたところを振り返らせるという流れを組みましょう!

このように、ソーシャルスキルトレーニングは社会性というあいまいな考えを、より具体的にして指導をすることだと言えます。

2.指導の流れは?

では、実際の授業ではどのような流れで指導していけばよいのでしょうか?今回は、特別支援学級などで取り入れられている、自立活動の時間を例に挙げて説明していきます!!

以下の流れが基本的だと言えます。

  1. 教示(言葉などで直接教える)
  2. モデリング(模倣、観察学習、見て学ぶ)
  3. リハーサル(実際にやってみる、練習する)
  4. プロンプト(行動を促すための補助)
  5. フィードバックと強化(振り返る、評価する、強化子を使う)
  6. 般化と定着化(いつでもどこでもだれとでもできる)

簡単に言うと、まずは見て学ぶ。その後練習をして、実際にやってみる。その都度「どこがよかったか?」「どこを直すべきか?」を振り返らせて、学校生活の他の場面でも声かけや見守りをしていくといった流れ!

教示・・・必要なソーシャルスキルを発揮するためのコツ(何を、いつ、どのように、どうやって、何のためにするか)を説明する

説明の大部分は、言語的な教示になるので発達障がいがある子どもたちは言語面のつまずきから、意図を理解できない可能性が・・・

そうした場合には、板書やルール表の提示などの視覚刺激や、手を添えてあげるなどの触覚刺激など、さまざまな感覚を刺激してあげることが有効!!

モデリング・・・簡単に言うと、「お手本」を見る

参加する子どもたちの中で、良いモデルをできる子どもがいると、それを観察する子どもがスキルを身につけやすくなります!さらに、モデルを行った子はそのスキルが認められることによって、さらなる自信アップに!

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しかし、実際の授業では参加している子どもの中で、モデリングができない場合もあります。そのときは、教師が実演して見せる方法でもOK!

リハーサル・・・教示とモデリングで得た知識やイメージを「実際にやってみる」こと

SSTではスキルを使った体験をすることが最も重要!!一度でうまくいかないときもあるので、前述の教示・モデリングをはさみながら何度もリハーサルするといいですね。

プロンプト・・・行動を引き起こすためのきっかけという意味

例えば、お助けヒント合言葉などが挙げられます。スキルを引き出すためのプロンプトを適宜行い、スキルが身についてきたら徐々に無くしていくことが、子どもの自立につながります!!

フィードバック強化・・・子どもにスキルを身につけさせるための技法

授業の一場面だけでなく、日常生活で使える可能性を高めるために行います。SSTにおける強化の基本は、スキルを使った体験が「成功」に終わり、本人が実感できる形がベスト!つまり、子どもたち同士のやり取りの中でスキルを使った結果、「よかった」「嬉しかった」「言いたいことが伝わった」という気持ちが出るような場面を仕組み、振り返りで気持ちを共有していくのがフィードバックと強化といえます!!

般化と定着化・・・SSTの場以外でも「いつでも使えるようにする」ことをねらいます。

さまざまなアプローチがありますが、大事なことは本人の中にスキルに対しての「自信」が出るようにすること!!フィードバックと強化での成功体験を、日常生活で1つでも多く味わえるように支援していきたいですね!!

以上の流れで、指導を展開していきます!

SSTを行う上で注意することは?

よし!SSTをやって、ソーシャルスキルを身につけさせていこう!

意気込んでいる方、少し待ってください。SSTを行うときに注意するべきことがありますので、しっかりと把握していきましょう!

注意するところは、以下のつです。

  • 自己価値や自尊心が下がりすぎないようにすること!
  • 二次障害や家庭療育上の問題があるときは、実施しない方がよい!

1.自己価値や自尊心が下がりすぎないようすること!

SSTでは、本人が苦手とするソーシャルスキルを身につけられるようにアプローチしていきます。しかし、本人が「やってみたい」と思う気持ちが無ければ、ただ本人の困難さを直面するだけで、「どうせできないよ」となり、学習意欲が下がってしまいます。問題が大きくなってきているときに、SSTを取り入れるとなると、子どもはネガティブな状態から指導がスタートします。

画像:子どもは失敗経験を経て、指導が始まるので気持ちがネガティブになっている

教師側の一方的な考えで指導を始めてしまうと、子どもは「そんなのやらなくてもいいじゃん!」などと反発をしたり、「できない」「どうせぼくなんか・・・」と無気力感を示したりする可能性が・・・

なので、始める前に対象となる子どもと次の3つを共有しておくことが大事です!!

困り感の共有(お互いにどんなことで困っているか?)

ゴールの共有(どんな自分になりたいか?)

スモールステップの共有(そのためにどんな学習をしていくか?)

これらをすり合わせておくと、子ども自身が学習に対して前向きになるので、しっかり行っていきましょう!!

2.二次障害や家庭療育上の問題があるときは、実施しない方がよい!

二次障害や家庭療育上の問題があるときは、実施を検討した方がよいです。なぜならこの状態だと、対人不安が強かったり情緒不安定さがあったりするからです。

SSTでは小集団の学習形態をとるため、本来ねらっているスキルに対して、「対人不安」「情緒不安定さ」といった子ども自身の障壁が邪魔をしてしまうので、スキルを身につけにくいことが考えられます。例えば、ルールを守って友達と関わってほしいという願いがあって、ゲームを扱ったSSTを実施しようとすると以下のようなパターンが考えられます。

【画像】障がいの特性が学習意欲を下げてしまう

SSTを行う前に、医療、心理療法、児童福祉、司法療法などの機能を持つ専門機関につなぐことが大事になってきます!!

二次障害や家庭療育上の問題があるときは、まずは専門機関とつないでから、徐々にSSTを導入するのが望ましいです!!

まとめ~ソーシャルスキルトレーニングをうまく使いこなそう!~

いかがでしたでしょうか?今回は、ソーシャルスキルトレーニングの指導のコツについて詳しく説明をしてきました。

私の経験では、ソーシャルスキルトレーニングを導入することはとてもメリットがあると確信しています!!教科指導と同じくらい学校教育で取り上げられるべきだなと本当に感じます!

ぜひ、困り感のある先生や保護者の方のヒントになる内容をお伝えできていれば嬉しいです!!

イット

後日、SSTの実践例についても記事を作りますので、楽しみにしてください!!

僕が運営するオンラインコミュニティ『Lifeffull-ライフル-』では、人生をテーマにやりたいことを実現させて、人生を充実させる活動を行っています。興味がある方、無料で入会することができます。

このブログでは、「仕事もプライベートも最大限に充実させる」ためのメソッドをたくさん発信しておりますので、よろしければこれからも見ていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!

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